EMIT-Japan WebCT レター

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【WebCT活用事例】京都コンピュータ学院 松本哲先生

第3回目のWebCTユーザー事例紹介では、今年の4月に大学院の方も立ち上がり、大変活況を呈しております京都コンピュータ学院学院の松本哲先生にインタビューをお願いしました。すばり、今回のキーワードは、『個々のシステム統合のための、基盤システムとしてのWebCT』です。

第3回目のWebCTユーザー事例紹介では、今年の4月に大学院の方も立ち上がり、大変活況を呈しております京都コンピュータ学院(以下KCGと略します)の松本哲先生にインタビューをお願いしました。

KCGは、その名の通りコンピュータ系学科や情報系学科が中心であり、個々の先生方のITスキルが非常に高く、先生によってはWebCT導入前からそれぞれ独自にApacheなどを使用したサーバーを立ち上げ、独自にWeb上でのコンテンツ公開などを行っておられたということです。このような話を聞きますと、ここまで進んだところでWebCTが必要なのか?KCG独自のシステムで十分なのでは?という疑問さえ湧いてきます。しかし、インタビューを終えた頃には、このような学校にこそWebCTが必要なのだ!と強く実感することになりました。

すばり、今回のキーワードは、『個々のシステム統合のための、基盤システムとしてのWebCT』です。先月のWebCTレターの【CIO's Metric】にもありますように「個別対応から基盤対応へ」、つまりCMS基盤システムとしてのWebCTの重要性、有用性を十分に理解いただき、大変有効に利用されているのがKCGです。以下、このことについてもう少し詳細にお話します。

大学、専門学校といった高等教育機関で教えられている科目は非常に幅広く、また同じ分野であっても教える先生や目的によって、その教授法は様々です。今後、e-Learnigの普及と共に、それぞれの教員、学科、あるいは各部がそれぞれ独自の判断でe-learningプラットフォームを導入した場合、学内のニーズ、目的、教育は様々であるため、それぞれが全く異なったシステムを導入し、結果として互換性のないシステムが学内に雨後の筍のように乱立すると、システムの運用コストがかさむという問題が生じてしまいます。このような運用コストは特に経営者にとって重要な問題ですし、またシステムが異なるためにせっかく作成したコンテンツが教員の間で共有できないというのは、知的資産の共有という観点から見て、非常にマイナスとなるでしょう。

「WebCTの導入でコンテンツの管理が楽になった。」、「以前は、教材の管理がずさんだったが、一箇所にまとまるので楽になった。」、「以前はPCを入れ替える際にコンテンツの紛失がおきたりもしたが、WebCT導入でそのようなことがなくなった。」「資産管理が楽になった。」とおっしゃる松本先生のお言葉は、まさにCMS基盤システムとしてのWebCTの有用性を物語っております。

このようなシステムの統一の話をしますと、全ての教育コンテンツがWebCTに搭載されることで、個々の先生の教授法に関する自由度がなくなり、全ての授業が画一的な講義内容になってしまい、個々の先生独自の個性的な授業ができなくなるのではという懸念を頂かれる方がいらっしゃると思います。しかし、心配には及びません。まず、図1をご覧下さい。

図 1 高等教育システム全体から見たWebCT(CMS)の位置づけ

図1は一般的な高等教育システム全体の中でWebCTがどこに位置づけられるかを示しています。この図から分かりますように、WebCTは様々な教授法、様々な教材を搭載することのできるコース管理システムとしての位置付けにあります。従って、先生は自分のスタイルを変えることなく、かつ全体としては統一されたシステム運用が可能となります。このような基盤システムとしてのWebCTに対する投資効果についてお聞きしたところ、「コストパフォーマンスはよいと思う。統合したことによる使い易さはライセンス料以上の価値がある。」とおっしゃって頂きました。(ただ、初期導入時にはそれなりの波紋があったようですが。。)

KCGは、これからIT化が進んでいく中で、今後多くの大学で起こるかもしれない問題をいち早く経験され、かつWebCTによって解決された良いお手本であると思います。KCGのようなトップダウン式の決定によるシステムの統一がなされず、個々の教員の裁量に任せてしまったならば、他の大学でもWebCTを導入される前のKCGと同様なことが起こることは想像に難くありません。この事例をご参考にして頂き、学内に多くのシステムが乱立する前に、学内システム全体の効率的な運用をご検討頂く一助として頂ければ幸いです。

さて、ここまでは全学的な視点が中心となっておりましたが、ここからは松本先生にフォーカスしていきたいと思います。

松本先生がWebCTを使い始められたのは、前述の通りKCG内でトップダウン式に導入が決まったのがきっかけです。当時から北米のほうで活躍していたWebCTを、KCGのトップの方が推薦され導入に至ったとのこと。いくつかあるCMSツールからWebCTを選択された理由としては、候補に挙がった製品を比較した中で、WebCTが最も使い易いという印象をもたれたためということでした。

では、実際に使用されてみての松本先生の感想はと言えば、当初は複雑な印象があったが、WebCTのしくみ、世界観のようなものが分かってしまえば使い易く、その後に実際試された他のルーツと比べて使い易いとおっしゃいます。松本先生はご自分が担当されているCG技術の講義にWebCTを利用され、学生からは「先生早くコンテンツアップロードしてください。」という積極的な声が聞かれるようになったとおっしゃいます。学校の行事でアップロード作業が滞ると、学生から催促されるほどだとか。また、WebCTを用いることで課題が即座にアップロードでき、かつ課題提出が通常の業務メールに紛れることなく処理できるところが非常に便利だとおっしゃいます。

一方、学生から見た場合、自宅から課題を提出できることが便利とのこと。自宅からの課題提出のため、以前は特殊なセキュリティを介して接続していたが、WebCTの導入によりセキュリティ面での心配が少なくなったとおっしゃいます。このようなダウンロードのインターフェイスが整ったことにより、学生からの課題の提出率が上がったということです。

先生同士でのコンテンツ共有については、WebCT上でスーパーバイザー的なIDを作って、コテンツの相互閲覧を可能にされています。WebDavの利用により、ユーザーインターフェイスが容易になり、先生同士のコンテンツのやり取りも盛んに行われ、コンテンツ作成の手間の軽減にもつながっているとのことです。WebCT導入前は、自作のコンテンツ管理システムで、FTPなどを使用されていたそうですが、これでは全ての先生ができるというわけではなく、使い易さの問題から一部の先生方には利用して頂けなかったとのこと。WebDav経由でファイルの転送が便利になった反面、教育面から見るとFTPを使ったファイルの転送を使う機会がないことがちょっとした悩みだとか。。。また、アート系の学生でWebデザインを目指している学生は、粘土や色彩といったことが専門でPCの教育は遅れがちであるが、今後はWeb系アート系の学生にも使ってもらえるよう推進中とのことでした。

更に、KCGでは新しい取り組みとして、教室をなくした遠隔授業を実施されています。ここでは、アップされコンテンツで学生が学び、試験まで一貫して実施されているそうです。更に、大学院大学では携帯を使ったe-learningまで検討されているようです。

松本先生に今後のe-learningの発展ビジョンについてお尋ねしたところ、KCGのコンテンツを一般の方に有償で提供する、いわゆる一般の方を対象としたバーチャルユニバーシティをお考えとのことです。ただ、その実現には、課金や個人情報の扱い、従来の学生と切り分けなど、かなり難しい問題であるようです。また、公開するとなると24時間対応になるので講師がどう対応するか、拡大する場合の管理の難しさや、教育をどう任せるかなど今後検討すべき課題は多いようです。

また、松本先生からWebCTへの要求として、開発環境であるPDKを公開して欲しいとのご意見を頂きました。現在のところPDKは一般公開されておりませんが、将来的にオープンになることにより、PDKを使った多くの便利なプラグインが開発され、それらをお互いに利用することで、WebCTがまずます使い易く、便利なツールへと発展していけばよいと考えております。

文責 エミットジャパン 小村道昭
(2004年 8月)