EMIT-Japan WebCT レター

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【WebCT活用事例】 帝京大学 渡辺博芳先生

 今回のWebCT活用事例は、帝京大学ラーニングテクノロジー開発室の渡辺先生を紹 介させて頂きます。  今回のテーマはずばり「自己学習力の育成」です。  学生の中には、勉強しろと言われても、そもそも何をしていいのか分からない学生 もいる。渡辺先生たちの講義では、そのような学生達が、まず小テストを解いてみる ことがから始め、勉強方法のツボをつかんでいく。そのようなプロセスが自己学習力の育成です。 では、渡辺先生たちの授業では、どのようにして学生が自己学習力を育成していく のでしょうか。

 今回のWebCT活用事例は、帝京大学ラーニングテクノロジー開発室の渡辺先生を紹介させて頂きます。渡辺先生ご自身が、WebCTを活用されている講義は情報基礎の1と2、また、情報科学演習の2コースおよび情報数理実習では、他の先生とチームになってWebCTを活用されています。

今回のテーマはずばり「自己学習力の育成」です。ここで渡辺先生のおっしゃる自己学習力とは、自主的に学習をする力です。

学生の中には、勉強しろと言われても、そもそも何をしていいのか分からない学生もいる。渡辺先生たちの講義では、そのような学生達が、まず小テストを解いてみることがから始め、勉強方法のツボをつかんでいく。そのようなプロセスが自己学習力の育成です。(「渡辺先生たち」と書かせていただいたのは、いくつかの講義・演習に関しては、武井先生、荒井先生、佐々木先生の各先生とペアやチームで実践しているとのことからです。)

では、渡辺先生たちの授業では、どのようにして学生が自己学習力を育成していくのでしょうか。 まずは図1をご覧ください。

図1 学生の学習パターン

図1は2つのパターンの学生の予習、講義、復習の時間の使い方を示しています。

渡辺先生たちは、講義の最初の10分を使って、学生のモチベーションを上げるための話をされ、話の終わりにその日の課題を出題されます。学生は、その課題が終了すれば講義時間内であっても帰ってよいというルールにされています。ですから、講義の最初の10分と課題が出題されるところまでは全ての学生が共通です。違いは、残りの80分をどのように使うか、です。

まず、図1の上のパターンは自己学習のクセがついてない(多くの学生はこちらでしょうか?)学生です。講義時間になって、初めてその日のWebCTコンテンツを見始めます。最初はほとんどの学生がこのようなパターンでしょうが、予習してこない学生は、授業中に質問できないので、時間の使い方を損していることに学生自身で気づくようになるそうです。

そして、時間の使い方が損していると気付いた学生は、図1の自己学習ができる学生のパターンに移っていく。徐々にそのような学生が増えているとおっしゃいます。

自己学習ができる学生は、講義の前にWebCTコンテンツを使って予習を終え、講義中は10分の話の終了と共に、課題に取り組むか、もしくは予習した際に疑問に思ったところを先生に質問します。 せっかく、先生がいる講義中に、自分一人で教材を見ていては時間の使い方を損している。 言われてみれば当たり前ですが、予習をして来なさいと言っても、なかなか学生はしないのではないでしょうか。 このようにして、WebCTを使った授業のツボ、つまり、WebCTコンテンツで予習をして、分からないところがあれば授業時間内にクリアにし、最終課題に取り組むと言った流れをつかんだ学生は非常に効率的に学んでいるのが良く分かるとおっしゃいます。 渡辺先生たちの授業では、そのような自己学習ができない学生も、自己学習ができている学生と自らを比較することで、自分の学習パターンでは大変時間を損していることに気付き、自ら学習態度を改めていくようです。 また、課題を提出した学生から帰れるようにされているのも、動機付けの1つだとか。早く課題が終わって帰れるようになれば学生も頑張るようになるということです。

このようにして、渡辺先生たちのWebCTを用いた講義を通して、自己学習のツボをつかんだ学生は、その他の講義でも、同様な方法で要領良く自己学習ができるようになっていくそうです。

ただ、このように学生が学習態度を改めていくのも、先生が作成された教材が学生にとってやる気を引き出してくれるような内容になっているからだと思います。WebCTのシステムに加え、渡辺先生たちの教材の充実が見事に組み合わさっているのだと思います。

実際、WebCTを使った渡辺先生の講義「情報基礎1」に対する学生の評価は、95%もの学生が、役に立っている、活用できている(どちらかといえばも含め)となっています。 また、WebCTの機能別の評価では、セルフテストや小テストが大変好評であり、続いて教材の公開、出席状況、課題・試験の得点の公開となっております。(アンケート結果の詳細は文末を参照下さい。)

学生に好評なWebCTの使い方の1つである出席チェックでは、学生が出席したら1、欠席は0として、出席状況を公開し、学生自身が思っている出席数と、先生のカウント数にズレがないかを学生に確認させて整合を取ってらっしゃいます。「出席が評価に影響する場合があるので、これは学生の評判よい」とのこと。

また、渡辺先生は、ペーパー試験後に、テストの点を公開され、これも学生の評判がよいとおっしゃいます。テストの点を教えず、優・良・可などの結果のみ通知される先生も多いようですが、学生としては、前述の出席状況やペーパー試験など、情報の公開を非常に喜ぶようです。

先ほど、“先生が作成された教材が学生にとってやる気を引き出してくれるような内容になっている”と書きましたが、どのくらいの労力が必要なのでしょうか?

WebCTという新しいツールを導入することによる負荷について、渡辺先生はこうおっしゃいます。「1年目は確かに大変です。ただ、WebCTを導入することで以前よりも学生に提供できる学習活動、教材、小テストが増えたことを考えると、それはしょうがないです。2年目以降は苦労なく、それができるようになりました。2年目は1年目をベースに教材追加しながら進めていきました。3年目の講義は非常に効率が良いです。」さらに、WebCTの操作に慣れてくると、講義の最初に一括で半期分または通年すべての教材や小テストの公開日時を決めてしまい、あとは授業の進行だけに集中できるのが良いとおっしゃいます。

“WebCTを導入することで以前よりも学生に提供できる学習活動が増えた”という言葉を裏付けるように、WebCTの導入後は、授業時間以外での質問が増えたとのこと。つまり、授業内だけの質問ではなく、授業以外の提供物に対する質問が増え、食堂などでもよく声をかけられるようになったとおっしゃいます。

渡辺先生にWebCTの便利なツールをお聞きしたところ、コンテンツモジュールのexport/importが便利とおっしゃいます。これによって、渡辺先生が作成された教材を他の先生への提供されることが多いようです。このように学内で先生方の交流により、コンテンツのような知的財産の共有ができると、また一段とWebCTの敷居が低くなることは非常に素晴らしいことだと思います。

さて、現在WebCTの導入を検討されている先生方がご興味をお持ちなのは、導入の経緯についてかと思います。帝京大学の場合、渡辺先生がWebCT導入のきっかけとなられ、渡辺先生の研究教育活動における良き指導者である武井先生が学部長のご理解を頂く上で力になってくださったとのことです。(余談ですが、WebCT導入後にラーニングテクノロジー開発室が設置され、武井先生が室長、渡辺先生が室員として情報科学科と兼務されているとのこと)

渡辺先生は、WebCTの導入以前からWebベースのCGIを自ら作成され、授業で小テストを実施されていましたが、当時は非常にメンテが大変だったとのことです。2001年にコース管理システムの導入を検討開始され、2002年に導入となったそうです。当時は、e-learning worldにて、JANZABAR IMS, CADDIE, UnivASSIST, CampusEOS, ActiWise, .Campus, Internet Navigware, WebCTを比較され、それらの中でWebCTが最も機能的に充実していたとのことです。そのような時、秋の情報処理学会全国大会にて、名大・梶田先生の講演を聞かれ、ほぼ心が決まったとおっしゃいます。

当時配布されていたWebCTのお試し版を、渡辺先生自らが使われ、学内の先生方に広めて頂き、学部としての導入の際には、前述のコース管理システムの比較表を作成し、武井先生が学部長にご説明し、学部長のご理解を得て、導入に至ったということでした。

締めくくりとして、渡辺先生の考えてらっしゃる今後の展望としては、

  • 学内やコミュニティでの教材や教授法の共有を促進していきたい
  • 大学の教室自体も先生から学生に知識を伝える場としてではなく、ラーニングテクノロジーを活用して学生参加型の学習か駆動がしやすいような設計ができるとよい

と大変意欲的なご意見を頂きました。


◆WebCTを使った講義に関する学生へのアンケート結果(回答者 101名)

質問1: 全体としてWebCTは学習に役立っていますか?
項目 割合
役に立っている 61.4%
どちらかというと役に立っている 33.6%
どちらとも言えない 4.0%
どちらかと言うと役に立っていない 1.0%
役に立っていない 0.0%

質問2: WebCTを活用できていますか?
項目 割合
活用している 64.0%
どちらかというと活用している 31.0%
どちらかと言うと活用していない 5.0%
活用していない 5.0%

質問3: WebCTの機能のうち役に立ったと思うものを選んでください。(複数回答可)
項目 割合
教材の提示(教材がいつでも見られる) 73.3%
セルフテスト 80.2%
小テスト 79.2%
課題提出機能 73.3%
ディスカッション機能 35.6%
メール 8.9%
オンライン成績表(出席状況、課題・試験の得点) 69.3%
言語選択機能 5.9%
特に役立つ機能はなかった 0.0%
文責: 小村道昭
(2004年 9月)