EMIT-Japan WebCT レター

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【WebCT Vista事始(3)】WebCT Vistaの構造を理解する(1) ラーニングコンテキスト -1-

先月のWebCTLetterでは、WebCT VistaをWebCTキャンパスエディションと比較して、その管理構造に大きな違いがあること、教育用ツールが統合進化したことなどをご紹介しました。今回の記事では、WebCT Vistaのもっとも特徴的な概念の一つである「ラーニングコンテキスト」についてご紹介します。(今回の記事の作成にあたっては、WebCT Vista3.0の英語版を参考にして作成しています。WebCT Vistaの機能を示す用語については、アルファベットではなく、カタカナで表記している場合があることをお断りしておきます)

ラーニングコンテキストとは

先月号のWebCTレターでも触れましたが、WebCT Vistaを導入した大学などの機関は、自らの組織構造になぞらえてWebCT Vistaに階層構造を作ることができます。これをラーニングコンテキストと呼びます。WebCT Vistaのラーニングコンテキストは次の6つです:

サーバ
ひとつのVistaサーバにひとつだけ存在する最上位のラーニングコンテキストです。 ドメイン−大学などの機関全体にわたっての設定やファイルの共有を行うためのラーニングコンテキストです。
インスティテューション※
多くの場合、学部やキャンパスなど、所在地で大別するようなレベルのラーニングコンテキストです。 ※先月号のWebCTレターでは「機関」という言葉で表現していました。
グループ
多くの場合、学科や、その他、機関の下位の組織を当てはめるラーニングコンテキストです。
コース
従来のWebCTの「コース」とは異なり、WebCT Vistaでは単にグループの下位構造であって、大学などの特定の組織構造によらない一般的な組織階層と捉えられています。
セクション
従来のWebCTの「コース」にあたる階層で、教員や学生が実際にアクセスして教育/学習活動を行う階層です。

ラーニングコンテキストの模式図は下のようになります。

図 WebCT Vistaのラーニングコンテキスト

各ラーニングコンテキストの概略をまとめると次の表のようになります。

ラーニングコンテキスト 概略
ドメイン
一つのシステムに、ただ一つだけ※
機関全体で共有するコンテンツを管理する
一つ以上のインスティテューションを持つ
グループ
一つのシステムに、一つ以上作ることができる
上位ラーニングコンテキストの管理者によって作られる
学部や学科をあらわす
コース間で共有するコンテンツを管理する
コース
上位ラーニングコンテキストの管理者によって作られる
複数のセクションで共有されるコースの構造を構築する
セクション
上位の管理者かコースのインストラクタによって作成される
インストラクタや学生はこのレベルにアクセスして教育/学習活動を行う

また、WebCT Vistaのラーニングコンテキストで管理する対象としては次のようなものがあげられます

以降は、上にあげた管理対象のひとつひとつを見ていきます。

ラーニングコンテキスト管理

ラーニングコンテキストの追加と削除

WebCT Vistaのラーニングコンテキストのうち、サーバとドメインについては最初から、ひとつだけ存在します。ドメインの管理者はインスティテューションの作成を行うことができます。インスティテューションの管理者は、下位のラーニングコンテキストすべてを作成することができます。以下、グループ、コースの管理者とそれぞれ下位のラーニングコンテキストを作成できます。まとめると、下表のようになります。

作成されるラーニングコンテキスト ドメイン インスティテューション グループ コース セクション
各ラーニングコンテキストの管理者 サーバ 一つだけ        
ドメイン   一つ以上※      
インスティテューション     一つ以上 無制限 無制限
グループ       無制限 無制限
コース         無制限
※ ライセンスの種類によっては一つしかつくれない

インスティテューション、グループのラーニングコンテキストは、WebCT Vistaを導入するときのライセンス形態によって、ただ一つしか作成できない制限が生じる場合があります。

コース、セクションのラーニングコンテキストは、作成する数に制限は設けられていません。あるグループの中にたくさんのコースを作成した場合、グループに「カテゴリ」という情報を付加して、グループに属するコースを分類することができます。

上位のラーニングコンテキストの管理者は、下位のラーニングコンテキストを削除することができます。ラーニングコンテキストは一度削除するともとに戻せませんが、セクションだけはバックアップを取っておくことができ、あとでバックアップをリストアすることができます。

ラーニングコンテキストの設定

各ラーニングコンテキストでは、WebCT Vistaのさまざまな機能について、有効/無効の設定や、動作の設定をおこなうことができます。ここで行う設定について、下位のラーニングコンテキストに及ぼす影響を以下から選択できます。

  • すべての設定を下位ラーニングコンテキストに反映させる
  • 設定をロックする:ロックされた設定は下位レベルでは変更することができなくなる

ラーニングコンテキストで行う設定は次の4つに分類されます。

ツールに関する設定
  • WebCT Vistaで提供されている教育用ツール(ラーニングモジュールやディスカッション、グレードブック、アセスメントなど)に関する設定です。主に、下位レベルでの利用を許可するかどうかを設定します。
管理機能に関する設定
ラーニングコンテキストのレベルによって、設定できる項目に違いがあります。主な管理項目としては、
  • ブランディング(画面の色やバナーアイコンとリンク、MyWebCTの名称、カスタムされたログイン/ログアウトページなどを変更できます)
  • 国際化(言語、日付や数値の表記について)
  • コンテンツの共有やインポート
  • ティーチングアシスタント設定
  • 学生のトラッキングとレポート
認証に関する設定
  • WebCT Vistaにアクセスするための認証を司る認証源を設定します。LDAP、Kerberos、カスタム認証源の3種類、6つの認証源を選択することができます。
システム統合に関する設定
  • PoepleSoft、SCT、IMS、システムインテグレーションAPIといったシステムやユーザの統合についての設定を行います。

ユーザの割り付け

WebCT Vistaのユーザ権限:ロール

各ラーニングコンテキストの管理者は、ユーザに対して自ラーニングコンテキスト以下のラーニングコンテキストについてのアクセス権限を設定することができます。WebCT Vistaの各ラーニングコンテキストへのアクセス権限をロールと呼びます。各ラーニングコンテキストのロールは以下のようになります。

ラーニングコンテキスト ロール
サーバ
サーバ管理者
ドメイン
ドメイン管理者
ドメインデザイナ
インスティテューション
インスティテューション管理者
インスティテューションデザイナ
ヘルプデスク
グループ
グループ管理者
グループデザイナ
ヘルプデスク
コース
コースインストラクタ
コースデザイナ
セクション
セクションインストラクタ
セクションデザイナ
学生
ティーチングアシスタント
聴講生

各ラーニングコンテキストの管理者はこの節で説明しているさまざまな管理作業を行います。ヘルプデスクは管理者の権限の一部を与えて、管理者の補助をするためのロールです。

デザイナはテンプレートやセクションの中身を作成するロールです。インストラクタはコースやセクションの管理を行うロールです。

学生と聴講生は、どちらもセクションにアクセスして学習活動を行うロールですが、聴講生には最終成績というデータを与えることができないことがシステム上の違いです。

ユーザにロールを与える

サーバ、ドメインのラーニングコンテキストと、インスティテューション以下のラーニングコンテキストでは、少しユーザへのロールの与え方が異なります。

サーバ管理者はべつのサーバ管理者をエンロール(ロールを与える)することができます。

ドメイン管理者はべつのドメイン管理者、またはドメインデザイナをエンロールすることができます。

これら二つのラーニングコンテキストでは、下位ラーニングコンテキストへユーザをエンロールすることができません。

インスティテューション以下のラーニングコンテキストでは、管理者もしくはコースのインストラクタとしてエンロールされているユーザが、自ラーニングコンテキスト以下に対して、ユーザをエンロールすることができます。

ロールは、一人のユーザに対して複数設定することができます。たとえばユーザAさんをインスティシューションの管理者兼デザイナとしてエンロールすることができます。ただし、適用できないロールの組み合わせというものも存在します。たとえば

  • 複数のインスティテューションにまたがる登録
  • セクションの学生や聴講生が、同じセクションや、そのセクションと親子関係にあるラーニングコンテキストに対して管理者・デザイナ・インストラクタとしてエンロールされること

などです。

次回はラーニングコンテキスト管理の続き、ユーザ管理、テンプレート管理、ファイル管理についてのご紹介を行います。

文責: CSK 岩澤亮祐
(2004年 9月)