EMIT-Japan WebCT レター

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【US e-learning事情】 ユタ州立大学

今月号ではアメリカ・ユタ州立大学Faculty Assistance Centre For Teaching (FACT)において、学部に対しE-learning、コンテンツ作成等のコンサルテーション、サポート、アシスタントをどのような組織で行っているかをご紹介いたします。

ユタ州立大学は1888年建学のアメリカでも有数の研究を主体とする大学です。7つのカレッジを持ち、学部数41、教員数834人、スタッフ数1,700人、ソルトレイクシティーの北方のLoganが主要なキャンパスでフルタイムの学生数男女合わせて11,000人、パートタイムの学生2、200人その他のキャンパス7,000人の規模です。内、学士、マスターディグリー、PHDの学生数は3,700人です。大学の収入は2003年$398,7Million(約440億円)、研究活動の支出は$141Million USDです。

さて、Faculty Assistance Centre For Teaching (FACT) が今回紹介したい組織です。さほど規模は大きくありませんが、この独立した組織にスキルの高いスタッフを配置し、USUにおける教育の質的向上のため学部に対してオンキャンパス、オンラインクラスそして遠隔教育の支援、トレーニングおよびサポートを行っています。サポート要求に対するメール、電話での応対、コンサルテーション、教育素材およびコンテンツのデザイン、開発の支援、またトレーニングとしてグループに対するワークショップの開催と、予約により個人に対する個別トレーニングの実施が主な業務です。

具体的はサービス業務の内訳は、

CDの制作と複製
グラフィックスデザイン
3名のデザイナーが下記の業務を行う。
  • CDカバーのデザイン
  • WebCTコースのデザイン
  • Webページのデザイン
  • Powerpointスライドの背景デザイン
WebCTの管理、インストラクショナルデザイン、コース制作に4人が割当てられている。
学生、教員に対するHelp Desk、学部に対するWebCTのそれぞれの使用方法が11のpdfファイルに準備されダウンロードできる。ビデオのデモが準備されているものもある。 Discussion Listservと称して学内の他の学部が作成したオンラインコンテンツの使用許諾に ついてディスカッションする場がありサインアップが規定されている。 先の研究会で広島大学安武先生が参照されたWebCTでカンニングを防ぐ方法も載っております。
マルチメディアプロジェクト
専属者1名によりデジタルオーディオ、ビデオを駆使したインターラクティブ教材の制作を行っている。専用のデジタルオーディオレコーディング室を使い、品質の高い録音を行う。また、ビデオについては撮影は行わないが学部が利用するあらゆる教材もしくは教育プロジェクトにビデオを利用(付加)するため、大学のメディアプロダクションが持つ素材を利用し、圧縮技術とインターラクティブにするための教材へのインテグレーションを支援する。LL、語学教室が良い例であるが、これらのすべては学生にとって教材をより身近にさらに興味あるものにするためのものである。
遠隔教育の支援:1名
学生同士のディスカッション、プレゼンテーションに2つ方法を準備しております。1つは衛星を使ったもの音声でライブに行う方法、他の1つはWebCTのツールを使ったやり方。用途によって使い分けています。1名の専属者がサポートしております。
Walk In Services

まめですね!このこまやかなサービス精神は確かつい最近の日本人のものでしたね。

Faculty Assistance Center For Teachingは旺盛なサービス精神により、オンキャンパスにおいて皆様のお声がかかり次第どこへでもおじゃま致します風に高らかに宣言しています。さて、お座敷サービスの内訳は、CDバーニングから始まり、デジタルカメラの使い方、パワーポイントに貼り付けて“百聞は一見にしかず”を実践します。FACTはたくさんのデジカメを持っていますのでどうぞご利用ください。まだまだありますよ。PCとMac、フラットベットスキャナー、スライドスキャナー、プリンター、CS-ROMライターなんでも利用できます。(大昔はどれをとっても一発1万ドルした商品でした)一声かけてください!、という調子です。

フィルムレコーダ
これはプロジェクタの出現により、死んだサービスかと思いましたが、さにあらず、まだフィルムを生でプロジェクタに投影するプレゼンも依然として生きている証拠!コンピュータから35mmスライドに落とすサービスもあります。フィルムはKodak EktachromeASA100のポジに出力。スライドの原稿はPowerPointバージョンは昔のものでも受け付けます?

まだあります。日本では最近帝京大学がLT開発室を発足させたようですが、いいアイディアです。我がFACTでも同じことをやっています。その名はLab Assistance! やる気のある少しおたっきーな学生を用意して皆様のお助けマンとしていつでも派遣いたします。グラフィックデザインからコンピュータプログラミングの能力ある学生諸君がイメージスキャンニングからコースデザインまで幅広くお手伝いできます。797−xxxxまでお電話ください!

その前にもっと親切なサービスがあります。“Office Visit”をご利用ください。事前の相談にLab Assistanceの人間をあなたのオフィスまで派遣します。上の電話を鳴らしてください。

OmniPageを使用したサービスもあります。ボリュームのあるハードコピーの文章をスキャンしてWordテキストに置き換える便利なサービスです。

FACTが用意しているソフトウエア
Adobe Photoshop, Adobe Photoshop Elements, Illustrator, Acrobat, Macromedia Freehand, Fireworks, Dreamweaver, Flash, Respondus, Imapatica, MS Powerpoint, OmniPage, Sound Forge, Vegas Video and “WebCT” , Sir!
FACTのスタッフ
総勢12名のスタッフが兼務しながらコンサルテーション、管理、専任業務をを日夜こなしております。http://www.fact.usu.edu/group.htm

以上がUSUのFACTの概要です。USUのFACTは最小限の規模で大変筋肉質なサポート組織と言えます。日本の多くの大学はUSUの規模にあたりますので参考になると思います。

しかし、オーストラリアのDeakin大学の同じ考えの組織は300名のサポートスタッフを抱えておりました!

先の!Mpact 2004 WebCTユーザ会のキーノートでもありましたが、全米の高等教育向け予算は2010年までに10%の削減が予想されております。ユタ州の高等教育に対する予算は同様に年々縮小の一途をたどっております。USUは86%が学費でまかなわれており、州その他から配分される部分は残りの14%たらずです。過去6年間は学費の値上げを行っておらす、教員および職員の給与は全米レベルの同じポジションの比較では5%から10数%低く、多くの投資計画がサスペンドされている状況で財政的にはかなり逼迫しているようです。これから3年間にこの財政危機を脱し、あらたな投資を行うために学費値上げの案が提案されております。(居住ステータスの学生、1セメスター15単位の学費を、現在$2,850ドルから段階的に引き上げ3年後には$4,076ドルとする提案)州内にある他の大学、ユタ大、フリガムヤング大、Weberその他の大学との比較をしながら財政再建計画を練っているようです。ユタ州の場合今後数年間で高等学校の生徒数の大幅増が見込まれており、これはUSUにとっては希望となりそうです。

文責:WebCT, Inc.日本事務所 佐々木末男
(2004年 10月)