EMIT-Japan WebCT レター

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【WebCT Vista事始(3)】WebCT Vistaの構造を理解する(1) ラーニングコンテキスト -2-

今月のWebCTLetterでは、先月に引き続きWebCT Vistaのもっとも特徴的な概念の一つである「ラーニングコンテキスト」についてご紹介します。今回の話題は「ユーザ管理」、「テンプレート管理」、「ファイル管理」です。WebCT Vistaでコンテンツの共有と再利用をいかに効果的に行うかを明らかにします。
(今回の記事の作成にあたっては、WebCT Vista3.0の英語版を参考にして作成しています。WebCT Vistaの機能を示す用語については、アルファベットではなく、カタカナで表記している場合があることをお断りしておきます)

ラーニングコンテキスト管理(続き)

まず、先月のWebCTレターで紹介した「ユーザの割り付け」に関連する「ユーザ管理」について紹介したあと、「テンプレート管理」、「ファイル管理」についてご紹介します。

ユーザ管理

ユーザの追加

ユーザを追加できるのは、インスティテューションの管理者か、「ユーザ管理」権限を与えられたヘルプデスクだけです。すなわち、ユーザはインスティテューションレベルのみで管理されるということです。上のドメインレベルや、下のグループレベル以下の階層にはユーザデータを追加することはできません。ロールを付与するだけです。 インスティテューションの管理者か、「ユーザ管理」権限を与えられたヘルプデスクの管理画面には、「ユーザ管理」タブがあってユーザ管理作業がそこに集約されています。

WebCT Vistaで管理される標準的なユーザ情報は以下のとおりです。

ユーザ情報 備考
ユーザ名 ログインするときのID、必須
必須
必須
その他の名前 ニックネームやミドルネームなど
接頭辞 姓名の前につける呼び名(Mr.とかMs.とか)
接尾辞 姓名の後につける呼び名(先生とか“さん”とか)
認証源 ユーザごとに認証源を選ぶことができます
アクセス アクセス許可/不許可
パスワード  

これ以外に、インスティテューション独自の情報を追加したり、不必要な情報は入力対象から削除することが可能です。ここで入力した情報の項目は、ユーザを検索するときのキーとなります。

ユーザの削除

追加されたユーザのアクセスを許可する/不許可する/削除する 操作ができるのはインスティテューションの管理者か、「ユーザ管理」権限を与えられたヘルプデスクだけです。アクセス許可/不許可か削除したい場合、「ユーザ管理」画面よりユーザを検索し、対象ユーザを検索結果から選択したあとで「アクセスを許可する」か「アクセスを不許可する」か「削除する」かいずれかの処理を実行します。

ユーザ情報の一括処理

ザ情報を一括で登録したいときには、WebCT Vistaの「システムインテグレーションAPI」を使ってバッチ処理やオンライン処理のスクリプトを作成する必要があります。

テンプレート管理

WebCT Vistaのテンプレートとは、コースデザインの要素を集めたものです。これには「どんなツールを適用したか」「どんなファイルをコースに含めるか」といった内容が含まれます。いわば「学生データのないコース」です。テンプレートは、セクションレベルより上のすべてのラーニングコンテキストで作成・管理が可能です。

テンプレートの作成

テンプレートを作成できるのは、セクション以上のラーニングコンテキストでデザイナ権限をもつユーザです。すなわち、ドメインデザイナ、インスティテューションデザイナ、グループデザイナ、コースデザイナです。これらのユーザの画面には、「テンプレート管理」タブがあり、テンプレートの作成・修正・削除を集中的に行うことができます。 テンプレートの作成は、セクションレベルのデザイナがセクションの内容を作成していくのとまったく同じ手順で行うことが可能です。

テンプレートの属性管理

テンプレートはドメイン、インスティテューション、グループの管理者によって管理されますが、テンプレートの管理には以下のような概念が取り入れられています:

概念 説明
オーナー テンプレートを作成したユーザです。通常はデザイナですが、作成したテンプレートを削除できるのは管理者を除いては作成者(オーナー)だけという決まりになっています。
編集者 他のオーナーが作成したテンプレートを編集する権限を与えられたユーザです。編集者になれるのはデザイナ権限を持つユーザだけです。
プライベート/パブリック テンプレートが作成されたときはいつも「プライベート」状態で、オーナー、管理者、編集者以外のユーザは見ることも変更することもできません。「パブリック」状態になると、それ以外のユーザでも閲覧やコピーが可能になります。「プライベート」を「パブリック」にできるのはオーナーだけですが、一度「パブリック」にされたものを「プライベート」に戻すことはできません。

管理者やテンプレートのデザイナは、テンプレートをコピーしたり、移動したり、削除したりするほかに、テンプレートの属性として上記の情報を修正することができます。テンプレートの属性として、「編集者」と「プライベート」「パブリック」があります。「編集者」を変更するときは、テンプレート管理画面で対象のテンプレートについて、編集者になる資格を持っているユーザの一覧(そのテンプレートが属するラーニングコンテキストのデザイナ)から、編集者とするユーザを選択します。

テンプレートのコピーと移動

テンプレートのコピーと移動についてはドメインと、インスティテューション、グループではすこし状況が異なります。

  • インスティテューション、グループの管理者は、下位のすべてのラーニングコンテキストからテンプレートをコピーすることができます。ただし、コピーしたテンプレートは自分の属するラーニングコンテキストにしか貼り付けることができません。また、テンプレートの移動についても自分の属するラーニングコンテキスト内でしか実施できません。
  • ドメインの管理者は、テンプレートのコピー、移動のいずれもドメインレベルのコンテキストでしかできません。 テンプレートをコピーするとき、コピーの方法には二通りのうちどちらかを選ぶことができます。
  • 完全にコピー:コピー元から、全く同じ内容のテンプレートを新規に作成します。コピー先のテンプレートはコピー元から完全に独立で、コピー元の内容が変わってもコピー先に何の影響も与えません。
  • リンクをコピー:ファイルがすべてコピー元からのリンクとなっているテンプレートを新規に作成します。コピー元の内容が変わると、その変更内容はコピー先テンプレートにも即座に反映されます。

既存のセクションも、テンプレートとして取り込むことが可能ですと先に述べましたが、これはテンプレート管理でセクションが公開されたテンプレートとして取り扱われているためで、テンプレート管理者が、上位のラーニングコンテキストにコピーしてテンプレートとして貼り付けることによって実現されます。

テンプレートの利用

テンプレートを実際にセクションに取り込んで利用するためには、どのセクションに、どのテンプレートを適用させるかということを決めてやらないとなりません。WebCT Vistaでは、これを「テンプレートの割り当て」と「テンプレートの適用」という概念を使って実現しています。

まず、セクションに対し、取り込むテンプレートの候補を指定します。これが「テンプレートの割り当て」です。割り当て可能なテンプレートはセクションからの一連の親ラーニングコンテキストに属するテンプレートです。親コース以外の他のコースに属するテンプレートや、親インスティテューション以外の他のインスティテューションに属するテンプレートは割り当てられません。こういった場合、割り当てたい他のテンプレートはセクションがたどっていける親ラーニングコンテキストにコピーないしは移動してあげないとなりません。

セクションに割り当てられたテンプレートから、実際にどのテンプレートを取り込むのかを決定するのが「テンプレートの適用」です。テンプレートの適用は、ラーニングコンテキスト管理で管理者が行うか、管理者がテンプレートを適用したかった場合にはセクションデザイナが適用するテンプレートを決めることができます。

テンプレートを適用したセクションでは、次のようなことが起こります。

  • 適用したテンプレートに含まれるファイルに変更が加えられたとき、セクションの同じファイルにも変更が反映されます。これは適用したテンプレートのファイルが、通常のコピーではなくリンクによるコピーだからです。セクションデザイナは、リンクを破棄して、セクションのファイルを完全なコピーとして保存することも可能です。
  • テンプレートでツールの設定や構成に変更があったとしても、テンプレートを適用したセクションには影響をあたえません。

ファイル管理

ファイル管理はWebCT Vistaのコンテンツ共有機能を実現する上で重要な役割を持ちます。WebCT Vista上でファイルの構成や共有を行うために、以下のようなフォルダがシステムにより自動的に作成されます。

  • ラーニングコンテキストフォルダ
  • テンプレート・セクションコンテンツフォルダ
  • My Filesフォルダ

ラーニングコンテキストフォルダ

ラーニングコンテキストを作成すると、同じ名前のフォルダが自動的に作成されます。ラーニングコンテキストフォルダの構成は、ラーニングコンテキストによる階層構造をそのまま反映しています。あるラーニングコンテキストのファイル管理からは、直系の親のラーニングコンテキストフォルダまたはすべての子ラーニングコンテキストフォルダを見ることができます。ドメインレベルのアクセスでは、ドメインラーニングコンテキストフォルダ以下のすべてラーニングコンテキストフォルダを見ることができるし、セクションレベルのアクセスでは親ラーニングコンテキスト以外のフォルダを参照することができません。

すべてのコンテンツはラーニングコンテキストフォルダに置かれますが、下位レベルのラーニングコンテキストからアクセスを許可するには、ファイルの属性を「パブリック」にする必要があります。 ラーニングコンテキストフォルダに置かれるファイルやフォルダの属性については、先に述べたテンプレートの属性とまったく同じ概念が使われています。

ラーニングコンテキストに順ずるフォルダ構成、「オーナー」「編集者」「プライベート/パブリック」というアクセスに関する概念、それからコピーをリンクにする/しないという区別をうまく使うことで、ファイルの公開、公開されたファイルの変更の一元化、アクセス制限など、さまざまな要件にすべて対応することが可能です。

テンプレート・セクションコンテンツフォルダ

ラーニングコンテキストフォルダと基本的には同じ概念ですが、テンプレートやセクションが作られると、自動的にラーニングコンテキストフォルダ上に作成されるフォルダです。WebCTキャンパスエディションの「ファイル管理」で「My-Files」と呼ばれていた領域と同じと考えるとわかりやすいと思います。

MyFilesフォルダ

WebCTキャンパスエディションの「My-Files」と大きく違うのは、WebCT Vistaの「My Files」は完全に個人用のファイル領域であるということ、すべてのユーザが利用可能であるということです。「My Files」におかれたファイルは個人の管理下に置かれ、「パブリック」にすることはできませんし、他のフォルダにリンクでコピーすることもできません。

文責: CSK 岩澤亮祐
(2004年 10月)