EMIT-Japan WebCT レター

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【CIO's Metric】大学における情報基盤エグゼクティブのための座標軸

No.4 「サステイナブルな情報基盤整備のために(その3)」

私は,名古屋大学情報連携基盤センターでの職務として,名古屋大学情報ポータルの構築を行っておりますが,ポータルが持つ「各種情報・サービスの統合ポイント」という性格上,いろいろな方々との連携が広がっています.その分,仕事も増えていまして,先月は1回お休みを頂きました.今回も危うく原稿落ち寸前でしたが f^_^;,2ヶ月連続原稿落ちとなると「もう戻ってこれない〜」という気がしたので,なんとかがんばって執筆しています (^_^;
というこで,今回は WebCT のような コース管理システム(Course Management System, CMS) の運用に関わるコストについてわずかではありますが,お話ししたいと思います.

バージニア工科大学のヘッド氏は,昨年の EDUCAUSE (http://www.educause.edu/) カンファレンスで CMS の導入および活用にかかる費用を,(1) CMS の購入・保守費用(ライセンス料・サポート料),(2) 直接的なサポート費用(サーバ費用やサポートスタッフの雇用),(3) 教材の開発・保守に関わる長期的な費用(教員の時間),の3つに分類し,比較的分かりやすい(1)・(2)のコストを海面上の氷山に例え,その下には巨大な(3)のコストがあることを指摘しています.(1)・(2) のコストについては,人件費が50%,CMSライセンス料が20%,ハードウェア調達費用が20%,その他が10% と分析されていす.

ミッションクリティカルなシステムとしてCMSの役割が重視され,CMS のライセンス料は,基盤システムで使われる機能強化がなされるにつれてハードウェア調達費用と同程度の負担レベルにまで来ています.これは,ERPや学務システムなどの他の基盤システムとして運用されるソフトウェアでも同じような傾向があります.また,学生一人当たりの(1)と(2)の合計は,利用する学生が増えれば増えるほど,減少する点も指摘しています.これは,CMS の購入・保守費用や直接的なサポート費用は固定的な費用であるためです.

このように,CMS を運用するためには,様々なコストがかかります.この事情をきちんと考慮した上で,費用対効果をきちんと測りながら CMS を導入していくのは本当に難しいですね:-) だからこそ,大学レベルの情報戦略をもって,大学教育の情報化をどうすすめるか,各大学ごとに考えなければならない時代になってきているのだと思います.

ヘッド氏の講演が含まれている下記の資料は,アメリカの大学での CMS 運用に関わる実情や将来ビジョンについても言及されていますので,とても参考になります.ご一読されるととても良いと思います:-)

文責: 梶田将司 株式会社エミットジャパン代表取締役/名古屋大学情報連携基盤センター

[参考文献]

``A Collaboration of Nine Universities with Common Interests and Challenges in The Area of Teaching and Learning with Technology'', EDUCAUSE 2003, http://www.educause.net/LibraryDetailPage/666&ID=EDU03142

(2004年 11月)