EMIT-Japan WebCT レター

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CIO's Metric - 大学における情報基盤エグゼクティブのための座標軸 -

No.2 「コース管理システムと現代的教育ニーズ」

WebCT は,高等教育機関における一学期分の講義など,ひとまとまりの教育プロセス(=コース)において,講義時間だけでなく,課外時間での教育・学習活動も含め,トータルに支援することにより,教育効果及び学習成果を最大にするコース管理システム(Course Management System, CMS)です.北米では,すでに8割を越える大学において WebCT など何らかのCMS が全学的に導入されています.

残念ながら,我が国における CMS の導入・活用はすでに8年以上遅れている状況で,「コースを運営する(Manage Course)」という概念自体,各教員がはっきりと意識しているとはいえない状況です.「ファカルティ・デベロップメントが重要だ〜」というトレンドは,現在の状況を改善しようとする1つの表れだと思います.

多くの大学で,「ティーチング・アシスタント」や「シラバス」という概念・取り組みが浸透してきたように,「コース管理」もこれから次第に浸透して行くと思われます.折しも,高等教育の質的改善への新しい教育スタイルの模索や,学力低下に伴う補習教育や社会人教育・生涯教育など,教育の多様化が急速に進んでいるという背景もあるからです.

全学の教員が利用する CMS の選定に当たって重要な点は次の3点です:

  1. ITリテラシの程度に関係なく,誰でも簡単に使えること (ユーザビリティ)
  2. CMS 初心者教員から CMS 上級教員まで,様々なレベルの教員が自分の教育スタイルに合わせて利用できること (カスタマイザビリティ)
  3. 学内での普及には時間がかかるため,小規模な利用から大規模な利用まで対応可能であること(スケーラビリティ)

WebCT はこのいずれも満たしています.具体的には,Version 4.0 からユーザインタフェイスの大幅な改善により,使い勝手が非常によくなりました.また,「教員に特定の教育モデルを押しつけることなく,現在の教育スタイルを保ちつつ,自由に新しい教育モデルの実験ができる柔軟さを提供する」という,WebCT開発者の Murray Goldberg (ブリティッシュコロンビア大学,カナダ)の初期の設計思想が今なお生き続けているおり,様々なレベルの教員が自分の教育スタイルに合わせて利用できる,まさに「かゆいところに手が届く」豊富な機能を有しています.さらに,スケーラビリティについては,北米やオーストラリアでの豊富な実績により実証されています.

WebCT を大学教育の中に組み込むことの最大のメリットは,「学生からのフィードバックに基づいた教育の改善プロセスに入ることができる点」でしょう.これにより,知識提供型の教員を中心とした教育スタイルから脱し,学習者である学生を中心とした教育スタイルへのパラダイムシフトがいま起ころうとしています.このことは,第3者機関による教育内容の客観評価に大きく影響を与えるだけでなく,学生のフィードバックに基づいた教材作成・共有・活用など,大学の知的財産戦略にも関連しますので,CMS の活用は,今後の大学経営にとっては極めて重要な課題になってきます.

このように,WebCT は,その活用を通じて現代的教育ニーズを生み出す源泉となるわけです.

(2004年 7月)