EMIT-Japan WebCT レター

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【特集】第3回日本WebCTユーザカンファレンス総括 3)

3)第3回日本WebCTユーザカンファレンスによせて
  WebCT, Inc. 日本事務所 佐々木末男

第3回日本 WebCT ユーザカンファレンスが6月3日、4日の2日間、東京で開催されのべ271名の参加が記録されました。プログラムでは今後のユーザ会の発展につながる活発な発表と議論がなされ、この会が成功裏に終わったことを心よりお慶び申し上げます。また、このユーザ会の開催にあたり、幹事校である帝京大学様、実行委員会のユーザの方々および事務局の EMIT Japan、株式会社CSKそして協賛いただきましたベンダー各社様のご協力に大変感謝いたします。

WebCT 社からは、グロ−バル・セールス担当上級副社長である Peter Segall が来日しました。 ”Scholarship of Teaching and Learning” のテーマで発表されたカーネギー財団の飯吉様らと共にゲストスピーカーとして、”Online learning’s Impact on Global Education”と題し、世界的な e-Learning のトレンド、WebCT社および製品情報/ロードマップの新しい情報と、導入を成功させる鍵となるユーザの取り組みについて事例を紹介しながら、1997年以来高等教育マーケットで事業を展開してきた開発元の立場から講演させていただきました。

以下、Peter Segallの発表したプレゼンテーションに基づいて彼の発表の要旨を述べさせていただきます。

最初に、 Gartner 社の e-learning in Higher Education の調査によると “A Quiet Revolution” として、2009年までにコース・セクションの50%が対面授業とオンラインのハイブリッド授業になる、との予測があります。1999年以来多くの高等教育機関が取り組んできた結果とこの報告の数字を比較すると、北米においては今後急速に e-learning の浸透が加速されることが判ります。

WebCT社のミッションは e-learning テクノロジーを利用した教育へのアクセス機会の増大であり、またテクノロジーと教育との融合による教育成果の改善にあります。このためWebCTは世界中に販売、サポート網をめぐらしております。

WebCT 社マーケティングプロファイル

WebCT のユーザは、70カ国にまたがって1,745の大学ユーザが存在します。顧客の92%が教育機関ユーザであり残りの8%が政府および民間会社からなっております。その中には40以上のコンソーシアムユーザが含まれ、2005年度春期には8.1百万人の学部、学生ユーザがWebCTを利用しオンライン教育・学習を行っております。また、3rdパーティーのデベロッパーがPowerLinkパートナーとしてWebCT製品の強化とユーザが求める新たな外部機能追加を行っております。

WebCT 社の最新ニュースとしては、

  1. 第7回グローバルユーザカンファレンスが7月18日から22日の間、 San Francisco で開かれます。昨年に比べ参加者の大幅な増加が見込まれています。
  2. IMS/GLC Tools Interoperability Working Group に WebCT 社は共同議長として弊社の CTO である Chris Vento を派遣し、オープンソースとの融合を図ります。6月22日に UK で行われるカンファレンスにて WebCT とオープンソースが融合した機能のデモンストレーションが行われます。
  3. 最近の主な Vista ユーザ:
        
    • 日本大学文理学部様
    •   
    • University of Massachusetts
    •   
    • University of Vienna (ウィーン大)
    •   
    • Singapore Management University
    •   
    • University Stellenbosch
    •   
    • University of Pretoria
    •   
    • McGill University

WebCT 社のアドバンテージは、業界のリーダとして高等教育機関における教育成果向上にフォーカスし、そのための柔軟なソリューションの開発に邁進しており顧客ケアーを第一に考えております。

世界的な e-learning のトレンド

UKの Department for Education and Skills (UK DfES)の調査による Toward to Unified e-Learning Strategy では、

  1. 新しい教育、学習を成功させるための障壁の除去として、学生の興味を引き出し、動機づけする新たらしい、クリエイティブな学習方法を提供しなければならない。
  2. 学生の定着率と成績向上のために、個々の学生のレベルに合わせたオンライン・ガイダンスとサポートを提供すること。学生はその結果自分のペースとレベルに合わせた履行能力を発揮できる。
  3. 選択肢の拡大として、学習者がどこでも、いつでも個々のニーズに合わせた新たな学習方法を可能にすること。

また、 ECAR レポートでは、 IT 利用による教室での学習経験を持つ学生の調査結果をまとめています。

  1. 回答した83%の学生は CMS を利用した教科を取っている。
  2. CMS を利用したことのある76.1%の学生は、彼らの経験を“positive”もしくは “very positive”と述べている。
  3. 学生と学部教員は管理活動をサポートする CMS のパワーを賞賛し、学生は特に学習経験を大幅にコントロールできるツール機能を評価していることが、この調査で明らかになった。

1つの e-Learning システムを学内のプラットフォームとする標準化が進む

  1. 74%の WebCT ユーザは単一の e-learning プラットフォームを学内で標準化し、 その内の97% はWebCTを採用した(2004年WebCTユーザ調査)
  2. 76%の大学は一つの CMS で標準化を行った(Gartner Research)。利点としては下記が挙げられる。
    • ハードウエアコストの低減、
    • 円滑で、効率の良い管理、
    • 人的資源の効率化

大学はアクセスの拡大、教育品質の向上、コスト管理の問題に取り組みつつある

  1. アクセスの拡大−増大する柔軟な学習機会提供の要求に焦点をあてる
  2. 教育品質−高品質の教育、学習環境の提供
  3. コスト−これまでの投資の再利用と、コスト管理の専門知識の活用
  4. 伝統的教育と新たらしいテクノロジーとの融合。

成功事例
◆ 学習成果の向上 − University of Central Florida
◆ 人的資源およびIT資源の効率的な活用(ジョージア全州34大学の1つの標準 CMS によるオンライン学習化)−University System of Georgia
◆ 学位を持たないテネシー州人口の78%にオンライン学位取得プログラムを展開−テネシー州教育委員会、伝統とテクノロジーの融合−Boston College
◆ 広大な国における遠隔教育の展開、学生中心の e-Learning のコミットメント − Deakin University(オーストラリア)

e-Learning は既に実験段階を越えた

米国の大学の93.7%は CMS を運用展開している。その内の68.4%は1つの標準 CMS を採用。

WebCT社の2005年ユーザ利用調査
大学毎の年度別WebCT学生ユーザ平均利用率の推移(1,496名/2001年、5,200名/2005年)
大学毎の年度別WebCT学部ユーザ平均利用率の推移(57学部/2001年、153学部/2005年)
学生ユーザのCMSに対する評価
Neutral: 18%
Positive: 58%
Very Positive: 18%

また、学部ユーザのコースマネジメントシステムの利用において、CMS 利用によるハイブリッドコースの有効性の認識が高まり、CMSを利用した学部の2/3は、初期段階から飛躍的に利用を拡大している。大学の規模別に見たオンライン教育の重要性については、学内ユーザ数3,000‐7,499、7,500−14,999、15,000+の3段階の調査によると、賛成しないがそれぞれ5%以下、中立が33%、29%、30%、また賛成は、61%、70%、68%となっている。

WebCT 製品情報

顧客ニーズにある共通性

  1. 使いやすさ
  2. 経験を積み洗練されたツールの充実
  3. ミッションクリティカルな運用に耐える信頼性の高さ−頑健で新しいテクノロジーを取り入れたソフトウエア構造と、システムインテグレーションの豊富な実績等。

ユーザニーズを取り入れたエンタープライズ機能

導入事例から理解いただけるように、WebCTは全学、コンソーシアム、全州利用等の大規模な利用が多い。それらのユーザはシステムのカスタマイズ、階層的ユーザコミュニティー管理、ラーニングオブジェクトの管理そして学習者の CMS 利用データのトラッキング/蓄積と活用を求めている。 WebCT Vista ではこれらのエンタープライズ機能を実現しており、さらに機能を大きく5つに分類したモデューラ構造を取り入れた。
Campus Edition 6.0 は Vista コードによる新製品であり、 Vista と同様にモデューラ構造が採用され、 Vista のモデュールを追加することによりエンタープライズ製品にすることができる。

CE6 の特徴は、

  1. 使いやすさを徹底追求した新製品
  2. リレーショナルdbをサポートする頑健なデータ管理
  3. 革新的な新機能の数々−グループコラボレーションとピアレビューを可能にする優れたコミュニケーション機能、課題提出と評価機能は新しくデザインされた、多くの新機能と機能改善、コース作成・管理の相互連携ツール群、バーチャル・コース環境。

San Francisco の Global User Conference では Vista 4.0 と CE6 が正式発表されます。

今後の製品開発の方向

  1. ePortfolio
  2. 新たな成績評価ソリューション
  3. アクティブなラーニングツールの追加
  4. コンテンツレポジトリーの親和性の追及(CMSとは切り離した独立のレポジトリー)
  5. オープンソースツールとの親和性の追及等

e-Learning の導入/展開を成功させる鍵

1997年以来1,745ユーザのサポート、導入コンサルタントの経験を踏まえ、導入、展開の成功の鍵をいくつかお伝えします。

University of Birmingham
我々は e-learning を利用する中長期のストラテジーと管理の計画つくりを急速に進めている。スタッフはe-learning を大きな熱意で受け入れまた、 WebCT Vista が持つ大きなポテンシャルを利用しようとしている” WebCT Vistaは大学の組織に合わせた柔軟な運用が可能であり、 新たな試みをサポートし育てるには高い順応性を持っている。 Vista はまた、サービス品質を失うことなく運用を拡大するスケーラビリティーを持っており、コスト−エフェクティブなシステムである。従って、他の活動に使われている人的資源をこのために流用することは必要ない。
(Stephen Clarke, Head of e-Learning)
University of Sheffield
“WebCT を導入してから3年間で e-learning に対する急速な理解が進んだ。 このテクノロジーは大学の教育法に大きく埋め込まれ、 WebCT なしでは我々の多くのコースは配信できなかった… WebCT Vista は増えつづける学生のニーズに対応するラーニング・モデュール開発の継続を学部が可能とし、完全にスケーラブルで拡張ができまた、管理が容易なエンタープライズ・ソリューションを提供している。 WebCT Vistaを今後も展開することにより、現在のまたは将来の学生に対し進んだ教育環境を提供し続けることができるであろう”
(Dr. Christine Sexton, Director of Corporate Information and Computing Services)

オンライン・ラーニングの成功は学習者中心の関係維持から生まれる

  • 教育プログラム
  • カリキュラム
  • 変化に富むコンテンツと教育素材
  • インストラクター
  • チュータ
  • スペシャリスト
  • 他の学習者-同じ専門分野/チーム
  • そしてこれらのコア・コンピテンスを強化する e-learning テクノロジーの活用

オンライン環境におけるテクノロジーの役割は、上記の有機的な関係をつくりあげ、学習者中心の関係をサポートすることにある。

インプリメンテーションを阻害するいくつかの要因

  • 変化に対する学部の抵抗-誤解と知識不足
  • 真の目的は協調学習もしくは学習支援ツール
  • 人的資源の不足
  • 不十分なシステム・インフラおよびシステム・インテグレーション
  • 不十分なプロジェクト計画
  • 継続した評価、検討の不足

マネジメントからの必要な施策

  1. ゴールと優先順位の明確な定義
  2. 経験のある専任担当者の配置、学内専任プロジェクトチームの設立、経験のあるベンダーとの密接な関係維持
  3. プロジェクト計画の設定
  4. トップダウンとボトムアップの双方のアプローチ
  5. 中長期計画のコミットメント

成功に導く更にいくつかの鍵

  1. 学部ユーザが簡単に利用する方策-テンプレートの作成、インストラクショナルデザイン補助等
  2. 学部、学生の成功事例を学内で公開:表彰、学内カンファレンス/デモンストレーション等
  3. システム・インフラとシステム・インテグレーションの提供-コース・リストの早期公開、Single sign-on、成績表収集
  4. 進捗状況の監視、測定-ユーザ数とコース数、学生に対するインパクト、大学全体へのインパクト

インプリメンテーションのアプローチ

  1. ゴールを設定しそこに至るまでの計画 - Strategic Planning
  2. 関係者各人のタスクと時間軸の計画 - Project Planning
  3. CMSが実際稼動するまでの構成を表すConfiguration Planning
  4. インスタレーション、インテグレーション、コースマイグレーション等の準備計画 - Technical Implementation Planning

e-Learning を推進する学内プロジェクトチームの構成

  • エクゼクティブ・スポンサー(マネジメント)
  • プロジェクトマネジャー
  • Oracle データベース管理者
  • WebCT およびシステム管理者
  • インストラクショナル・デザイナー
  • 学部ユーザ・トレーナー
  • ユーザ・ヘルプデスク・スタッフ

ユーザの学内向けWebCTサポート・サイト例

http://www.ualberta.ca/WEBCT/

http://webct.gsu.edu/faculty/

http://www.itap.purdue.edu/tlt/ecourses/

最後に、 DfES の調査報告を再度引用します。

  1. 新しい教育、学習を成功させるための障壁の除去として、学生の興味を引き出し、動機づけする新たらしい、クリエイティブな学習方法を提供しなければならない。
  2. 学生の定着率と成績向上のために、個々の学生のレベルに合わせたオンライン・ガイダンスとサポートを提供すること。学生はその結果自分のペースとレベルに合わせた履行能力を発揮できる。
  3. 選択肢の拡大として、学習者がどこでも、いつでも個々のニーズに合わせた新たな学習方法を可能にすること。

文責:WebCT, Inc. 日本事務所 代表 佐々木 末男
(2005年 6月)